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2016年4月

雪と桜とゆきやなぎ

大好きな父が手の届かない所へ旅立ってしまってから一ヶ月が経ちました。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と共生しながら母と一緒に自宅で余生を穏やかに過ごしていましたが、眠るように旅立ってしまいました。
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人工呼吸器をつけた事で2度と父の声が聞けなくなってしまったのは2年前、季節外れの雪が降った春まだ浅い日の頃のことでした。数ヶ月間の入院を経て自宅に戻った父の元へ通う車の中から季節外れの雪と桜とゆきやなぎが織りなす美しく不思議な色合いを眺めながら、この季節が来るたびに父を懐かしく思い出す時がいつか必ずやって来るのだろうとぼんやりと窓の外を眺めていました。
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たくさんの事を教えてくれた父でした。
世界中、色々な所に連れて行ってくれました。
山と自然、音楽やオペラ、映画をこよなく愛した父でした。
年齢や肩書きに囚われない自由で平等な心を持った人でした。
そして何よりも家族を深く愛してくれました。
介護をする母や娘にもいつも「ありがとう」「悪いね」と感謝の言葉を忘れない愛すべき父でした。

しばらくはこの穏やかな日々が続くと疑いもせず「また明後日来るからね~」と声をかけた私にまだかろうじて動かせた手を挙げて「うん、うん」と頷いた父の姿が最後に見た父となってしまいました。
眠るような穏やかな死であったことに感謝すると共に波のようにひいては押し寄せる寂しさにただ身を任すしかない、今年の春です。

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