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はだしのゲン

松江市が市内の小中学校に閲覧制限を求めていた「はだしのゲン」。
去年、夫が「もう一度読みたい」と言って全巻を買ってきた。
それを見た私は当時5年生だった息子にはまだ少し刺激が強いかもと心配し「まだ彼には早いかもしれないから見えない所にしまっておいてね」と言ったのだ。

なぜなら、ちょうど私が息子の年齢の頃に読んだ時に受けたショックが未だに鮮明に残っていて、息子に読ませることを少なからず躊躇したからだった。

そして今回の閲覧制限の報道をテレビで見て息子が言った。
「俺、これ読んでみたい」

私の影響でもっと幼い頃から手塚治虫のマンガもたくさん読んでいるし、大丈夫かな。でもわりと繊細な一面もあるからどうしよう。
一瞬、色んな思いが頭をよぎった。
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一呼吸おいて私は白状した。
「実はね、この本、全巻うちにあるんだ」
「マジで?どこに?」と驚く息子。
「パパが去年買ってきたんだけど、君にはまだ刺激が強いかと思って隠してある」
それを聞いた息子はこう言った。

「だってはだしのゲンを読んでショックを受けることに意味があるんでしょ。そこから色々と考えることに意味があるんだよ。読むか読まないかは子供が自分で決められるよ」「Tちゃん、松江市と同じになっちゃてるよ」

う~ん、息子よ、母は本当に返す言葉がなかった。

ちょっときつかったり涙が出たりする場面もあったらしい。でも気に入った巻は繰り返し読んでいる。凝り固まった自分の価値観に気付かずにそれが「正しい」と思い込むのは柔軟性を欠いた大人の心・・・。
私ははなすずや息子の保護者のつもりでいたけれど、実は一緒に成長しているただの1人の未熟な人間なんだと何だか妙に素直に思ったある夏の日の出来事だった。

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